少し前に大変話題になったアニサキスですが、そもそもアニサキスとはどういうものかご存知でしょうか。
テレビ番組などのメディアでアニサキスの画像をみなさんよく目にされているとは思いますが、あの独特の魚類寄生虫ならではのあのシルエットと見た目はなかなかに受け付けませんよね。
魚介のサケやイカ、タラなどの魚の内臓だけではなく、身にも寄生するという驚異的な虫、それがアニサキスです。アニサキスの予防法や症状はあまり目にする機会がないにもかかわらず、アニサキスの画像ばかりが先行して見聞きしてしまいますが、新鮮な海産魚類を食べてから3~4時間もした後に、突然急激な腹痛や吐き気、嘔吐などの症状が現れましたら、それはアニサキス症を疑ったほうが良いと思います。
また、アニサキス症に限らず夏は食中毒の危険性も高まりますので、食品に含まれる細菌が原因で発症する「細菌性食中毒」や、意外なところで「生卵」の食中毒も大変危険ですので、卵とサルモネラ菌にもよく注意しましょう!
また、生卵のみならず、生レバーや生クリームなどの、生で食べるものにも特に注意しておきましょう。
食中毒とサルモネラ菌の症状について
サルモネラ菌というものは、卵や肉に多く確認されているようです。普段はなかなか感染しないためか、食中毒とサルモネラ菌を切り離して考えてしまったり意識している方は多いでしょうが、夏は食中毒に大変かかりやすい季節ですので、サルモネラ菌について、また、サルモネラ感染症について、出来る限りの知識を蓄え、警戒を怠らないように注意しましょう。
ちなみにサルモネラ菌は、初夏の6月頃から晩夏の9月頃までの長い範囲で発生しやすく、これはなぜかといいますと、気温が温かくなるため細菌は育ちやすくなるからで、調理をする際や外出から帰宅した際には、手洗いを徹底するなどしてくれぐれも不潔にしないように注意をしておくことが大事です。
尚、サルモネラ菌は食材である卵や肉といったものにのみ付着している(?)といったイメージが先行してしまいがちですが、その実、鳥類や爬虫類、両生類といったペット・動物の体内に生息している細菌でして、家畜の豚や鶏、牛では常に保菌しているといった状態です。
サルモネラ菌は乾燥には強いが熱には弱い、といった特徴がありますので、卵、肉、魚などを食べるときは、十分に加熱処理をしてから食べるようにしましょう。
食中毒の細菌の種類とは
夏の代表的な食中毒菌のサルモネラ菌を筆頭に、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、カンピロバクター、腸管出血性大腸といった悪名高い細菌が夏には活発になります。食中毒の原因について
食中毒の原因とは、何なのでしょうか。やはりなんといっても卵肉魚の生食にあると思います。ついついやってしまいがちなのが、生肉や生魚を調理したり乗せたまな板の上で、続けざまに野菜を切る、などをしてしまい、その野菜にサルモネラ菌が付着して経口摂取して感染してしまう、といったことが考えられます。ですので、夏場は面倒ですが、まな板は使い分けるか、使った後はよく洗浄し、さらには熱湯で消毒しておくことをおすすめします。
夏の食中毒の予防について
ペットや動物を触った後は、必ず手洗いを徹底しましょう。また、食材や調理器具は常に洗って清潔にしておくことです。少しでも生で食べてしまう可能性のある食材は、しっかりと加熱することで回避しましょう。また、生ものでなくても調理した料理はあまり置いておかず、できるだけすぐに食べるようにしましょう。あとは体力をつけるために、十分な睡眠と栄養、休息を取るようにしましょう。
アニサキスは冷凍でもこたえない?
アニサキスが冷凍では堪えない、というのを耳にしたことがあると思います。それもそのはず、一般家庭の冷凍庫では-5度くらいの温度設定ですので、この程度の低温で冷凍したぐらいではアニキサスは退治できません。
シメサバやアジのタタキ、イカの刺し身などを冷凍庫で冷凍し、2日ほどしてから食べよう、と思っても、油断してはいけません。酢でも塩でも効かないし、-20度以下の低温で丸一日以上冷凍してやっと退治できるぐらいのアニキサスなのですから、一般の家庭の冷凍庫の温度設定ではまず無理だと認識しておいてください。
しかしその反面、アニキサスは冷凍には強いのですが、加熱には弱いですので、50℃~60℃ぐらいの温度で加熱すると簡単に退治できるようです。また、裸眼でも見えますので、注意深く確認しながら料理をするとよろしいでしょう。
2018年3月23日追記・アニサキスの症状や予防、治療方法など
アニサキスは寄生虫の一種です。長さは約2㎝~3㎝で、見た目の特徴は白い太い糸のように見えます。
魚介類の内臓に寄生するアニサキスですが、魚の鮮度が落ちると内臓から筋肉(身)に移動します。
アニサキスの成虫は体長5~8㎝で、クジラやイルカなどの胃に寄生しているようです。
アニサキスの症状が起こる原因として、生の魚介類を食べることで腸壁や胃壁をアニサキス幼虫が刺激(噛みつく)することで食中毒を引き起こすと考えられていましたが、最近ではアニサキスの分泌物によるアレルギー症状で起こるといわれています。実際に魚介類に寄生しているアニサキスによって蕁麻疹や発熱などのアレルギー症状が出ている患者も多くみられるようです。特に怖いのが生きているアニサキスだけでなく、死滅している場合でもアレルギー症状が起こります。
急性胃アニサキス症
食後数時間~10時間後にみぞおちに激しい痛みや吐き気、嘔吐が起こります。
急性腸アニサキス症
食後10時間~数日後に腹膜炎症や激しい腹痛が起こります。
疑わしい症状がみられる場合は放置せず、医療機関を受診してください。
治療法
急性胃アニサキス症の場合、胃カメラでアニサキスを取り除く方法が一般的です。
アニサキスを摘出すればほとんどの場合痛みは収まっているので胃薬を処方されて自宅へ帰れます。
急性腸アニサキス症の場合、対症療法が試みられ状況次第では外科的処置が施されることもあります。
アニサキスは人体に寄生し続けることができないので、約5日程度で便と一緒に排泄されて症状がなくなります。
内視鏡や手術となると治療費はかかりますが、任意で加入している保険によっては給付金がおりる場合もありますので保険会社に問い合わせてください。
上記で述べたようにアレルギー反応を起こしている場合にはステロイドを投与することで症状を和らげることも可能です。まだ確立された治療法ではないため対応してもらえる病院が少ないため気になる方は医療機関に相談してください。
現在アニサキス幼虫に効果的な特効薬(駆除薬)は開発されていません。
加熱すれば大丈夫?予防法はよく噛むこと?アニサキスの加熱時間など
予防
加熱 60℃以上で1分以上加熱する(あぶるだけではダメ)、70℃以上で瞬時に滅びますので、しっかりと中まで加熱してから食べることが効果的です。よく噛むことでさらに予防することが出来ます。
正露丸に含まれる木クレオソートの作用により、大腸の過剰運動を抑えることで腹痛が和らぎ、下痢や軟便などに対しては腸の過剰なス分分泌を抑制しながら水分吸収を促進するため症状を抑えることが可能になります。
しかし、正露丸でアニサキスが滅びることはないので、早急に医療機関を受診することが大切だといえます。
アニサキスと魚について
スーパーや魚屋で刺身の状態で売っている場合はお店側に責任がありますのでレシートと商品を持っていけば。交換またが返金してもらえます。魚やイカなどを一匹丸ごと買って家でさばいた場合には自己責任となりますのでアニサキスを見つけた時には適切に処理してください。
テレビなどで芸能人がアニサキス症になったなどと特集されているのを見たことがある方も多いと思います。しっかり処理している魚屋さんがそういった報道などに影響され刺身などが売れないため困っているようです。
多くの魚には寄生虫が存在しているのですが、大切なのはアニサキスなどの寄生虫に対し正しい知識を身に着けることが大事だといえます。
ニベリニア寄生虫・ニベリニアとは
ニベリニア寄生虫とは、体長約5㎜ほどで乳白色、頭部に少し長めの4本の吻(ふん)があるのが特徴です。
スルメイカやタラなどに寄生しています。
ニベリニアは人体には基本的に無害だといわれていますが、人の喉や口の中で吻(固着気管)を使い張り付くことがあるようなので気をつけましょう。
食中毒の症状について
カンピロバクター菌肉類の加熱が不十分な場合に起こりやすい。
カンピロバクター菌の潜伏期間は1日~7日で、頭痛・腹痛・37℃~38℃の発熱・吐き気・水のような下痢や血便などの症状が起きます。
O157(病原性大腸菌)
O157の潜伏期間は1日~14日で、とても長いのが特徴です。腹痛や下痢場合によって血便を伴う下痢が起こることもあります。
腸炎ビブリオ菌
腸炎ビブリオ菌の潜伏期間は約8時間~24時間で、腹部の違和感や激しい腹痛・嘔吐・発熱・下痢などの症状が起きます。
サルモネラ菌
サルモネラ菌の潜伏期間は食後約4時間~48時間の間に腹痛・下痢・約40℃の発熱・嘔吐などの症状がみられ、なかでも下痢が激しく水のような下痢が1日に10回以上続くこともあります。
ウェルシュ菌
自然界の広い範囲に生息している細菌で、特に魚・牛・鶏が保菌していることが多いです。
汚染された魚介類や肉類を使った煮込み料理が原因の場合が多く、カレー・シチュー・スープなどです。
ウェルシュ菌は酸素を嫌う細菌で、高温(100℃)に6時間耐えれることもわかっています。
潜伏期間は約6時間~18時間で、軽度の腹痛や水っぽい下痢などの症状が起こります。
ノロウイルス感染症
ノロウイルスは冬の時期に多くみられますが年間を通して発生します。
一般的に知られている原因はカキ(牡蠣)やシジミなどの魚介類が汚染され、その汚染されたものを食べることで中毒症状を引き起こします。また、自分で食べていなくても汚染された食品を食べた人の便や嘔吐物から感染することもあります。感染力が非常に強く、長期間免疫が持続しないため何度もかかります。
潜伏期間は約12時間~48時間で、37℃~38℃の発熱・腹痛・水のような下痢・嘔吐などの症状が起こります。
脱水症状になりやすいため症状が少し落ち着いた時に少量ずつ水分補給を行ってください。
また、こどもの場合濃い飲み物(ジュース・牛乳など)や飲み物を一気に飲ませると吐いてしまうことがあるので注意してください。
下痢や嘔吐などの症状を引き起こす食中毒で気を付けること
ノロウイルスなどの場合は、高温で食材の中までしっかり火を通し、手洗いうがいの徹底、便や嘔吐物を処理するときや後にも消毒することで感染を最小限に抑えることが出来ます。